苦くない珈琲なんて、ないと思っていた。 白金台の路地裏にある珈琲屋さんで、私はそんな珈琲を知った。仕事の打ち合わせでお店を初めて訪れたのは、未知のウイルスによるステイホーム期間が明けた、2020年の夏のことだった。 商店街の紹介冊子を作る企画にメインライターとして参加することになった私。店長さんが商店街の広報担当とあって、自然とその珈琲屋さんが打ち合わせ場所として選ばれた。この日からたびたび訪れることになるその場所は、”癒し”と”刺激”が混在する空間だった。 ”癒し”は言わずもがな、珈琲から得られるもの。 ”刺激”は脳、思考への刺激である。 うさぎの名前を冠したそ
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